うつぶせ寝させてませんか?午睡の見守り方

保育士・保護者両方におすすめ

先日世田谷区の認可外保育園でうつぶせ寝をしていた4ヶ月の赤ちゃんが亡くなるという痛ましい事件がありました。

園見学の際にうつぶせ寝をしている園児がいたこともあり、事前にうつぶせ寝をさせないように強く訴えていたけれども、実際にはその訴えは実行されていなかったことがわかります。

今回の記事では私が実際に働いていた園、ヘルプに入った園、実習に行った園などの“午睡の見守り方”についてまとめていきたいと思います。

午睡チェックの規定

午睡チェックとは簡単に説明すると、子どもたちが寝ている時に異変がないか確認することです。

実際に保育園でどのようにチェックをしているかご存じですか?

呼吸をしているか、顔色は変わりないか、体調に変化はないか、仰向けで寝ているか

主に上記の内容をどの年齢でもチェックしていきます。

呼吸をしているか

呼吸を確認する際は目視だけではなく、胸に手を当て動いているか確認します。

また実際に触れることで、保育室の空調が適切かどうかの確認もできます。

大人と子どもでは快適に感じる気温が違うものです。

自分で管理をすることが難しい子どもが、過ごしやすい環境を整えることが大切です。

顔色は変わりないか

顔色を確認するためには、ある程度の明るさがないとできません。暗い方がよく寝るからと保育室を暗くしすぎていませんか?

顔色を見ることで体調不良がわかることはもちろん、呼吸チェックと同様で頬の赤みなどで保育室内の空調が適切かの判断もできます。

体調に変化はないか

咳や鼻水が出ていないか、出てる場合は日中からの症状なのか、咳は空咳?痰絡み?、鼻水は透明?黄色で粘っこい?

など体調1つでも確認する要素は多くあります。

例えば午睡時のみ痰が絡んだ咳をしていた場合、鼻水が喉に落ちて咳に繋がっている可能性が高いです。

そのような時は背中の上側にバスタオルなどを入れて高さを出すことで和らげることができます。

またそのような対応をした際には、看護師にも共有し後で様子を見てもらうようにお願いをしておくと安心です。

仰向けで寝ているか

この項目はご存じの方が多いのではないでしょうか。

うつぶせ寝がNGとされている大きな理由が

乳幼児突然症候群(SIDS)”を引き起こす可能性が上がるからです。

乳幼児突然死症候群について子ども家庭庁でも注意喚起がされています。

  • SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気で、窒息などの事故とは異なります。
  • 令和4年には47名の乳幼児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっています。
  • SIDSの予防方法は確立していませんが、以下の3つのポイントを守ることにより、SIDSの発症率が低くなるというデータがあります。
乳幼児突然死症候群(SIDS)について/子ども家庭庁

これだけ多く取り上げられ、保育に関する仕事をしていない人でも耳にしたことがある注意点にも関わらず、保育園での午睡中の死亡事故がなくならないのはなぜでしょうか。

もちろん午睡中の死亡事故の原因が全てSIDSというわけではありません。

しかし事故の状況を聞くと“うつぶせの状態”だったケースが非常に多いです。

うつぶせで寝ることに慣れている子は仰向けに直してもすぐにうつ伏せに戻ってしまうことがよくあります。

根気強く仰向けに直しているうちに、だんだんと眠りが浅くなり泣いて起き、その泣き声で他の子どもたちも目を覚ましてしまう。

こうなると子どもの生活リズムも崩れる可能性があります。

しかしそれ以上に“午睡中にやる予定だった業務が終わらない”ことに焦る保育士が多いのではないでしょうか。

午睡時間にやる業務としてよくあるのは、連絡帳や日誌、園によってはブログ等、月末前には月案の作成などです。

子どもが起きている時間はもちろんこういった業務をやっている時間はないので、午睡時間にしか進めることができません。

特に連絡帳はお迎えまでに終わらせないといけないので、焦りが生まれる気持ちもよくわかります。

環境が整っている園では、午睡時間以外でもヘルプに入れる職員がいて、保育を抜けて終わっていない業務を進めることができます。

しかしこのような環境が整っている保育園は少数なのが現実です。

どうしていくべきか

この問題はただうつぶせになっていたら仰向けに戻せばいいという問題ではないことがわかったかと思います。

もちろん子どもの安全を確保することが第一の保育園なので、うつぶせ寝は必ず避けるべきですが、それと同時に保育士の業務内容の見直しや、人員体制、保育環境の改善、保育士一人ひとりの質の向上など様々な問題を解決していくことが不可欠です。

午睡チェックをする人が責任を持ってチェックを丁寧に行え、子どもが起きても焦らず寝かしつけや起きてゆったり過ごせるように関われる心の余裕を持てるようにすることが結果的に事故を減らすことになるのではないかと思います。

まとめ

保育に携わっていた者としてこのような事件は本当に胸が痛みます。

またそれと同時に保育を取り巻く環境をよくしていくにはどうしたらいいのか頭を悩ませてもいます。

保育士に憧れ、夢を叶えて働きだしたら環境が整っておらず精神を病んでいった職員を何人も見てきました。

そういったことが少しでもなくなることを願い、自分にできることとして今後も自分の知識や経験を発信していこうと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

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