主体性保育ってなに?バランスが大事
皆さんは“主体性保育”という言葉を聞いたことはありますか?
保育園で働いている人は必ず耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回の記事では主体性保育についてお伝えしていきます。
主体性保育とは
まず主体性保育について説明したいと思います。
簡単に言うと子どもが自発的に考えて行動することです。
一見当たり前のことのように思うかもしれませんが、主体性保育を行うには意識して保育をする必要があります。
どのような意識が必要かというと、“主体性”と“主体性保育”を間違えないことです。
私が保育士時代、毎年園全体で5月頃にチューリップの球根を植えてみんなでお世話をしていました。3月~4月に花が咲く為、期待を持って進級できるようにというねらいがありました。
全クラスで行う活動でしたが、5歳児クラスの担任をしていた子が「うちのクラスはやりません」と言い出したのです。理由を聞くと子どもたちにやりたいか聞いたら興味がなさそうだったから、とのことでした。
これは子どもたちが自分で考え行動する主体性保育ですか?ある意味主体性かもしれませんが、主体性保育ではありません。
このチューリップのお世話活動は年間指導計画にも月案にも入れている活動です。
とういことはねらいに対して環境構成と配慮事項を立てているはずなので、“子どもに聞いて決める”だけでやめるのはおかしいのです。
ではどうしたらよかったでしょうか。
計画を立てた時に考えた環境構成や配慮事項をもとに、子どもたちが興味を持てるような関わりをしたらよかったと思います。
それでも子どもの気が向かなければ、気が向くように違うアプローチをします。それが保育士の仕事です。
こちらの記事では指導計画の立て方について紹介しています。
興味を持つところまで保育士が持っていき、そこからどのようにお世話をするか、発展させていくかを子どもが自発的に考えられるように関わっていくのが主体性保育です。
そこでもなんでもOKではなく安全を確保する為の必要最低限の約束事は決め、その範囲内で自由な発想を大切にしていきます。
こちらの記事では子どもの怪我や事故について紹介しています。
自主性とのバランスが大事
自主性と主体性の違いを説明できますか?
似ているようで全く同じなわけではないこの2つの言葉。簡単に説明すると以下のようになります。
自主性・・・ある程度決められた枠内で、自分の意志でやりたい事を見つけて行動する
主体性・・・自分でやりたい事を見つけ、それを実現する為に行動する
室内遊びでの具体例をだしてみます。
保育者がねらいを持ってコーナーを設定し、その中で子どもがやりたい遊びをするのは自主性です。
子どもがやりたい遊びを考え、必要な物を自分で用意して遊ぶのは主体性です。
これを踏まえると先ほどの項目で例に出したチューリップの球根植えの改善策は主体性だけではないことがわかります。
自主性と主体性の両方とも必要な要素です。
どちらかに偏りすぎず、バランスよく活動に盛り込んでいくことをおすすめします。
環境作り
主体性保育をする為には環境作りも大切です。
子どもがやりたい事を思いついても、それを実現できるものがないと思いつくだけで終わってしまいます。
また様々な素材の玩具や材料があるからこそ、新しい発想が生まれることもあります。
子どもの興味にあった環境設定をし、創作意欲や想像力を育むことが大切です。
私たち保育士がすることは子どもの興味の種をまくことです。
せっかく用意したものが子どもにヒットせず、終わってしまうことも多々あります。
そこで残念がって終わるのではなく、なぜ子どもが興味を持たなかったか分析しましょう。
他にもっと興味のあることがあったのか、発達的に内容が合っていなかったのかなど必ず理由があるはずです。
その分析結果をもとに来月の月案の環境設定を考えていくのです。
乳児クラスは個別月案もあると思うので、より一人ひとりに合った関わりを考えてみてください。
そうする事で子どもの世界が広がり、成長へと繋がっていきます。
まとめ
今回の記事はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は子どもはいつしゃべりだす?語彙を増やすための関わりについてです。
ぜひ遊びに来てくださいね♪
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