気になる子とは
みなさんは“気になる子”という言葉を聞いたことはありますか?
保育士をしている人はほとんどの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。
今回は“気になる子”についてお伝えしていきたいと思います。
気になるポイント
まず気になるポイントとをいくつか挙げてみようと思います。
・目が合わない
・名前を呼んでも反応しない
・追視(目で追うこと)ができない
・逆さバイバイをする
・爪先立ちで移動する
・他者との距離感が判断できない
などがあります。上記のいずれかの様子が見られたら“少し気になる子”として観察をします。
成長とともにその行動が変化する場合もありますし、その変化がゆっくりの場合もあります。
その行動があったら発達障害ということ?と思う人もいるかもしれませんが、保育士は医者ではないのでその判断はできません。
保育士としてできることはその子の発達状態がどのくらいで、どんなことに困っているのか、どういう関わりをするとその子が生活しやすいのかなど目の前の子の行動に目を向け、情報を共有することです。
保護者への伝え方
保護者に伝えるタイミングは園で話し合い、慎重に進める必要があります。
早い方がいいと焦って伝えると、まだ受け止める準備ができておらず逆効果になることも考えられます。
コミュニケーションを取る中でどのくらい子どもの姿を理解しているか、受け止める心の余裕があるかなどを感じ取ってください。
私が担任を持っていた8年間の中でも気になる子は7~8人ほどいました。
その中には乳児クラスの子もいたので、保護者に伝えず経過観察で終わった子もいましたが、3人の子は私から保護者に話をしました。
正確には2人は区の検診などで指摘を受け、相談をしてきてくれたことをきっかけに園での様子を共有しました。
どちらの保護者も共通していたのは“自分の育て方が悪かったのはないか”という気持ちが強かったことです。
その思いを聞いた時にとても胸が苦しくなりました。
子どもの発達に関しては環境要因が0なわけではもちろんありませんが、ほとんどが生まれ持ったものです。
保護者の気持ちを受け止め、今後どうしていったらいいか一緒に考えていけるように関わっていくことが大切です。
もう一人の保護者はこちらが様々なアプローチで子どもの様子を伝えても「家ではできている」「こういう関わりをしているから大丈夫」などと受け入れられない様子が続きました。
保育園に子どもの様子を見に来てもらう日を設定しても、体調不良などで欠席するため、最終的には保護者に許可を取り動画を取って様子を伝えました。
そこで保護者は状況を理解し、受け止めることができるようになったようでした。
ここまで持っていくのに1年かかりました。
もっと早く専門機関に繋げたい気持ちはもちろんありましたが、焦って保護者との信頼関係が切れると何もできなくなってしまう為、慎重に時間をかけて進めていくことを意識しました。
このような話をする時に大切なことは、可能な限り2人以上で対応することです。
理由としては“言った言わない”などのトラブルを避けるためです。
また保護者とのやり取りは自分が発した言葉はもちろん相手の言葉、表情や感情などを記録しておくことが大切です。
どういう言い回しだとこちら側の意図が正しく伝わりやすいのか、どの職員とだと話しやすそうかなど分析もできますし、今後様々な機関と繋がることになった場合、重要な資料になります。
伝えた後
伝えたらそこで終わりではありません。
その子が今どんな援助を必要としているのかを見極め、適切な援助が受けられるように行動しなければなりません。
具体的にいうと例えば個別の関わりをしたり、絵カードなどを用いて見通しが持てるようにするなど保育園内の関わりで様子を見る。
もしくは療育などの機関と連携を取り、より専門的な関わりを増やしていくなどです。
療育などの機関は予約が取りにくく、取れても3か月先なんてことも多いです。
予約日まで何もしないのではなく、保育園でできることを行いその様子を記録に残していきましょう。
早い段階で行動することが大切にはなってきますが、先ほどの項目でも触れたように保護者に伝えるタイミングは大切です。
子どものために何がベストかよく園内で話し合い、行動してください。
分析
保育園内でできる対応としてはその子の行動を記録し、分析することです。
どんな状況でその行動が出るのか、その行動が見られた前後はその子の周りでどんなことが起きていたか、その行動がでた際どんな関わりをすると落ち着くのか、その行動が多い時間帯や曜日はいつか
些細なことでも記録し、分析することで必ず何かが見えてきます。
仮に分析してもその行動が見られる傾向がわからなかった場合そこでやめるのではなく、違う視点で分析をしてみてください。
そしてその為には複数人で分析することが重要です。
複数人で分析することで様々な視点から物事が見れますし、保育士によってその子の行動が変わるのかも新しい分析の項目に取り入れられます。
まとめ
難しいですが、とても重要なテーマです。
ぜひ保育園内でも担任だけでなく全職員でその子に向き合い、関わり方を考えてみてください。
正解はありませんが様々視点からアイデアをだし、協力することが大切です。
今回の記事はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は習い事はいつから始める?選び方や習い事の数についてお伝えします。
ぜひ遊びに来てくださいね♪
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